2010年1月アーカイブ
1月27日。
ソウル5日目、最終日。
午前中より、
昨日アポイントを取っておいた
JETROの榎本副所長を訪ねる。
商標権についての
相談、アドバイスを受けた。
これは、JETROの入ってる建物。
これで、ソウルでの当初の目的は
全て終了。
このビルの地下に大きな書店。
娘に、
「少女時代」(歌手らしい)が
載っている雑誌と、
息子に、
韓国版「ワンピース」第56巻を
購入。
鐘路(チョンノ)の
この川は、
清渓川(チョンゲチョン)。
李明博(イ・ミョンバク)大統領が
埋め立てられていたこの川を、
掘り戻して町に川を再生したことで
有名です。
まだ、廻りは雪が残ってます。
「チョンゲチョン、車がない通り。
土曜日14時〜日曜日22時迄」
と書いてあります。
夏は、デートをしたり、
子供が水遊びをしたりする
憩いの場になっているところです。
鐘路(チョンノ)の
飲み屋街の入り口に
真露(ジンロ)の
大きな広告塔
ポップンジャ(木苺酒)と、
チャミスルフレッシュ(焼酎)
チャミスルJ(焼酎)と
梅酒の広告。
日本より
まだ、韓国のほうが
男尊女卑が強いのでしょうか。
結構、扇情的な宣伝(笑)。
明洞(ミョンドン)の
ロッテデパートの
食品売場に立ち寄りました。
韓国の人は
本当におまけが大好き。
これは、キシリトールガムに
ミニチュアのガムがついてます。
ミニチュアボトル、本体より
コストがかかるような気が(笑)。
これは、歯ブラシの
3本に1本おまけのセット。
3+1と書いてあります。
出ました!!
これは歯磨き粉。
2個に2個のおまけです。
おまけをすることを前提に
商品パッケージを作ってるのが
すごい。
女の子が
2+2で笑顔でピース(笑)
生マッコリ、
ロッテデパートにもありました。
1.5リットル入りで
2200ウオン、200円。
やっぱり安い。
デパートで売る価格?
最後の韓国での食事は、
参鶏湯(サンゲタン)。
明洞の百済参鶏湯に
行きました。
18000ウオン。
サンゲタンは、高級料理。
結構、高い値段です。
完食しました。
もう思い残すことはありません。
最後にお酒のコメント。
これは「宝海マッチ純」。
梅酒です。14%。
香りが高く、
まず最初に
梅の甘い香りがします。
飲むのを躊躇したくなるほど
濃い甘さ。
8000ウオン。700円。
締めは、「清河(チョンハ)」。
韓国清酒の代表選手。
13%。
コクのない甘い清酒。
やはり、醸造後何か糖分を添加?
4000ウオン。330円。
レストランでこの価格は
安いよなー。
アガシー、メッチュ、ハナチュセヨー
(おねえさん、ビール1本もってきて)
酒呑みが韓国で最初に覚える言葉。
今回、メクチュ(ビール)の
有名な4種類を比べました。
まずは、OBビール。
「OBブルー」を飲む。
泡立ち、泡残りもいい。味はソフトで、
麦芽の苦みは、やや薄い。
水のようで飲みやすい。
口の中の後味は、爽快。
次は、CASS。
「カス フレッシュ」を飲む。
1999年にCASSは、
吸収合併され、今はOBが製造。
アルコール度数4.5%。
泡の立ち方が、薄い。
麦芽の甘味がやや強く、
口の中に余韻として残る。
3番目は、HITE。
「ハイトゥ」と発音するのが正しい。
「ハイトゥ クール&フレッシュ」を
飲む。
よく言うと、キレがあって、さわやか。
悪く言うと、味が薄く、苦みとボディが
無く、水みたい。
韓国の人の飲みっぷりをみると、
メッチュは、チェイサー代わりと
いうか、和らぎ水感覚なのだろう。
酒という感覚では無いような気がする。
最後にMAX(マックス)。
一番色は濃い。麦の香りがする。
泡立ちも良い。苦みと甘味が冴える。
一番、日本のビールに近い。
リッチ&フルボディドと
書いてあるだけはある。HITEが製造。
総評:韓国のビールは、ビールと
思ってはいけない。
水と思って飲むべし。
1位MAX 2位OB 3位HITE 4位CASS
という順番になりました。
1月26日、夜。
ソウル4日目の夜。
「日本酒を愛する人」の会が開催。
酒ルル(酒を)
サラガヌン(愛する)
サラム(人)
ということで、サササの会。
韓国の富裕層の方たちに、
日本のプレミアムな酒、
特定名称酒を飲んでもらおう
という会です。
全部で28蔵が参加しました。
韓国側のお客様は
90名を越えました。
各蔵の自己紹介タイムでは、
なんと、私の家内が、
菊美人を代表して登壇。
韓国の皆さんの前で、
韓国語でフルスピーチ。
28蔵の中で、
韓国語でのスピーチは家内だけ。
万雷の拍手を受けました。
さすが、韓国語検定3級。
よく、がんばりました。
日本酒は、おいしいということを
よくご存じのお客様で、
また、値段が高いこともよくご存じ。
最後の日本酒が当たる抽選会は
大盛り上がりでした。
韓国の景気が戻り、
日本酒が大いに飲まれることを
期待させてくれる会でした。
1月26日。ソウル4日目。
午前中は、韓国の酒の事情についての
講演会を聞く。
場所は、韓国観光公社。
明洞より歩いて8分。
地下には、観光案内センターがある。
結構、おもしろい。
講演は、
JETROの小高顧問。
韓国の現在と将来の経済事情と予測。
酒類そして日本酒の事情。
韓国の食品流通の事情。
最近の韓国食文化のトレンド。
2時間に亘ってお話頂いた。
相当、足で稼いだ情報。
とても有意義な講義でした。
韓国の酒類事情については、
結構事情通と思っていたのですが、
知らない情報も沢山ありました。
すごく参考になりました。
ありがとうございました。
お昼からは、
ファヨという焼酎工場を
見学に行く。
ここは、その途中の昼食場所。
このお店では、
自家製のマッコリがあった。
伝統酒は、結構自由に誰でも
免許がもらえて、造れるようだ。
酒税も5%と優遇。
(ちなみに、清酒・ワインは30%)
写真のような壺に入って出てきた。
日本の清酒のにごり酒を、
甘酸っぱくした感じ。
酸味がきいて、美味。
ソウル中心部から70分。
「焼」と書いて、
「ファヨ」と読む焼酎工場に到着。
工場内は、写真撮影不可でしたので、
とりあえず、トラックを撮影。
この工場は、焼酎と
生マッコリを製造。
5年前に稼働開始。
倍々ゲームで伸びているそうだ。
焼酎は、
日本の機械を導入。
焼酎も、日本の米焼酎とほぼ同じ。
品質の良さが、受けているようだ。
8ヶ月以上この壺で熟成。
米焼酎での熟成はめずらしい。
左2本が焼酎(21度と41度)。
瓶もおしゃれだし、
価格も10000ウオン程度。
韓国内では異常に強気の価格設定。
右のPETボトルが、
生マッコリ。
10日でできあがるそうだ。
生ということで一切火入れ無し。
1本10000ウオンと、
普通のマッコリが1000ウオン
程度(80円)なので、
10倍の価格。
韓国の伝統的な製法に加えて、
日本の焼酎製造のプラントを
取り入れて、近代的な
焼酎造りをしている会社。
高品質な、焼酎とマッコリ。
勉強になりました。
ありがとうございました。
1月25日。
ソウル3日目。
ロッテホテルソウルにて、
日本酒造組合中央会の主催の
講演会と試飲会が始まりました。
講演会には約100名が参加。
中央会の高橋理事から
わかりやすく日本酒の
講演して頂きました。
その後、
日本総領事のスピーチがあり、
試飲会に突入。
日本の総領事がこうやって、
特定のパーティに出て、
スピーチを頂くことは
めったにないそうです。
まさに、日本国あげての
日本酒PRです。
韓国の酒ビジネス関係者、
150名が参加、試飲、商談が
できました。
日本全国から
37蔵が参加。
九州は3蔵出店。
福岡県からは弊社のみの参加。
佐賀県からは「天山」さんが出展。
熊本県からは「瑞鷹」さんが出店。
右は「天山酒造株式会社」の
代表取締役社長の七田謙介氏。
海外は、NYをはじめ、アジアも
広く手がけている蔵元です。
JCでは後輩ですが、
すごく勉強させて頂きました。
3蔵で、九州の酒のおいしさ、
PRしてきましたよ。
1月24日。
ソウル2日目。
今日は、菊美人を納品してもらってる
百貨店の売り場へのご挨拶参り。
4店舗挨拶回るスケジュールです。
まずは、
新世界百貨店、
永登浦(ヨンドンポ)店。
韓国の百貨店は
3つの百貨店がメジャー。
新世界百貨店、
現代百貨店、
ロッテ百貨店です。
新世界百貨店のヨンドンポ店は、
昨年9月リニューアル。
日本酒コーナーも
韓国一の大きさです。
菊美人の樽も飾ってありました。
韓国は昨年秋頃から
生マッコリがブームのようです。
マッコリヌーボーと称して、
ボージョレヌーボーよりも
売れていると、
朝鮮日報が報じてました。
ありました。生マッコリ。
完全に棚一つ独占しています。
価格は3000ウオン?250円?
安すぎる。
デパートに置く値段じゃないし。
なんで韓国の酒ってこんな安い?
気を取り直して、
店員の皆さんにご挨拶。
今後とも
菊美人よろしくお願いします。
2店舗目は、
新世界百貨店、江南(カンナム)店。
カンナム地区は
富裕層の住宅も多く、
セレブの人もいっぱいいるところ。
芸能人もよく住んでるところです。
酒売場は
ワインを中心にすごい品揃え。
冷蔵庫も
きちんとあって、
品質もきちんと管理。
菊美人も
10アイテムほど
おいて頂いてました。
3店舗目は、
アプクジョンにある
現代百貨店の本店。
アプクジョンは東京で言えば
銀座みたいなところ。
富裕層の方が多く、
日本酒もコンスタントに
売れるところです。
新世界百貨店とはまた
趣が違い、
ゆったりとした
店づくり。
お客は少ないけれど、
ゆっくりモノをみて
買っていく。
試飲をしたら、
購買率が非常に高いそうです。
菊美人、
5品目おいて頂いてました。
最後、4店舗目は、
新世界百貨店の本店。
明洞地区にあります。
4店舗とも、きちんと
ディスプレイして頂き、
ありがたい限りです。
きちんと
固定のお客様もついたそうです。
ありがたい限りです。
韓国は日本よりひどい不況の
真っ只中ですが、
今だからこそ韓国
頑張っておきたい。
1月23日、ソウル初日の夜。
今回のソウルの宿は、
ロッテホテルソウル。
日本酒造組合の試飲会、パーティも
ロッテホテルでの開催のため、
やや割高ですが、
今回のソウルの拠点としました。
2月中旬の旧正月までは
続くのでしょうか。
イルミネーションが
とてもきれいです。
今晩の食事は、
ロッテホテルから歩いて5分。
「ミニマニ」という、
焼肉のお店。
前回、渡韓したときに、
美味しくて、安かった、
お店の店員さんがやさしかったと、
三拍子も揃ったので、
またやってきました。
鉄板にのってるのは、
センサムギョッサル
(生の三枚豚バラ)。
これは、
テジカルビ
(豚のカルビ)。
これは、チヂミ。
どれも、おいしく頂きました。
今回飲んだお酒は「ピンタンボク」。
初めて見たので、迷わずオーダー。
果実酒、アルコール度数7度と
表記されてます。
「ブドウのアルコール入り
炭酸ジュース」と
言えばいいのでしょうか。
「お酒のファンタグレープ」と
言えばいいのでしょうか。
酒のみには、この甘さはきつい。
7000ウオンなので500円。
気を取り直して、定番のジンロ。
「チャミスル フレッシュ」。
19.5度。甲類焼酎です。
3000ウオン、250円。韓国では、
焼酎がレストランでこの値段。
安すぎる。この価格と
日本酒は戦わなければなりません。
にしても、「チャミスル」の後味に
残る妙な甘さは何なんでしょうかね。
ところで「ピンタンボクを飲んで
みませんか」と、隣のグループの皆
さんに声をかけたところ、意気投合。
おおいに盛り上がりました。
山梨県の富士河口湖町の
体育指導員の皆さんたちでした。
「百回お茶を飲むよりも、
一回のお酒」といいますが、
楽しかった。
逆に、チャミスルを頂いてしまい、
恐縮します。
富士五湖町の渡部さん、ほか皆さん
大変お世話になりました。
1泊2日の「弾丸トラベラー」の方も
いらしたようですが、
無事にお帰りになられましたか。
今回の渡韓にあたっては、
試飲用、サンプル用のお酒は
全部、手運び。
大荷物となりました。
極力、書類などの重い荷物は
機内持ち込みにして、
重量超過の追加料金も
徴収されずクリアできました。
インチョン空港で、
ターンテーブルからスーツケースが
出てくると、不気味な黄色のタグ。
「税関に行け」とのこと。
当然、税金は払うつもりでしたよ。
税関に近づくと、その黄色のタグから
音楽は鳴り出すわ、
税関でタグの番号を入れると鞄の中の
赤外線写真は画面に出てくるわ。
一気に汗が吹き出しました。
1時間の足止めと、
関税、酒税、教育税、付加価値税と
立派に沢山、払いました。
販売用の酒ではないのに・・・。
結構へこみました。
1月23日。
4泊5日で韓国ソウル出張。
余裕をもって出かけようと、
準備してたのですが、
慌ただしい出発となりました。
今回の出張の第1の目的は、
日本酒造組合主催の韓国での試飲会。
第2の目的は、挨拶廻りです。
韓国語が少々喋れる
韓国担当部長(私の家内)を
連れての出張です。
これから、
5日間ソウルの酒事情について
レポートします。
乞うご期待。
空港は、まだ雪が残っています。
明日は、最高気温が3度。
最低気温がマイナス5度だそうです。
福岡は10度超えていたのに。
風邪引かないよう頑張ります。
ここでソウルに
これから行く方への
お得情報。
インチョン(仁川)空港から
ソウル市内のホテルまでは、
KALリムジンが楽で便利です。
チケットは、
是非KALの機内で買いましょう。
片道1400円が
900円になりますよ。
節約、節約。
1月21日。
お酒の学校11期生、
今日が4時間目。
今まで、座学中心だったものが、
いよいよ
実際の体験が中心の講義になる。
4限目会場は、
福岡市大名の
博多の老舗料亭「稚加栄」様の
全面的なご協力で、
「稚加栄」様の料理を食しながら、
いろんな種類の日本酒との
マリアージュを試すという授業。
まさに、左党にすれば、
垂涎の授業。
お座敷に、
椅子まで準備して頂いての授業。
「稚加栄」様、
本当にありがとうございます。
私からの最初の挨拶。
この授業を受け持つのは、
若き経営者、冨安拓良氏。
酒を楽しむ酒器の話もあり、
手前に並んだ
酒器の紹介もあった。
すべて、冨安氏の
個人コレクション。
すばらしい。
生徒さんは全部で30人。
なんと、今日は
一人も欠席者なし。
全員出席という快挙でした。
また、
今回は
「朝日新聞」と「財界九州」の
取材も入りました。
「茶振りなまこ」と
冷やした薫酒(大吟醸生原酒)。
「鯛の荒炊き」と
ぬる燗にした熟酒
(平成17年仕込みの生酛純米)。
「あんこう唐揚げ」と
冷やした爽酒(吟醸生酒)。
「秋刀魚明太子」と
常温の醇酒(純米原酒)。
しっかり、みんな味わいました。
酒呑みでよかったーーー。
私の酒造りのブログに
よく登場する
米を蒸す光景。
この場所を、「釜場」と言います。
また、この米を蒸す道具を
「甑(こしき)」と呼びます。
この甑は、ステンレス製。
大きな釜の上に
この甑が座っています。
釜の中でお湯を沸かし、
その蒸気が、甑の中にある
お米を蒸すのです。
甑(こしき)の内部です。
このように、空いた穴から
蒸気が噴き出し、
米が蒸し上がります。
日本酒のお米は、
炊くのではなく、蒸します。
約1.8トン、一万食分が
一回で蒸し上がります。
このように
甑(こしき)の中に、
釜師(かまし)と呼ばれる
男衆が入って、
米をかき出します。
釜師は、
当然、あつあつの
蒸し米の上に立って
蒸し米をかき出します。
その甑の中で履くのが、
この下駄です。
すごく大きい下駄ですね。
蔵開きの時は、
実際に展示します。
1月20日。
「九州男児」本醸造用の
夢一献70%精白の
「留(とめ)仕込み」の日。
残りの3/6の
蒸米、麹米、水を加えます。
これで全ての
量が入ったことになります。
さすがに
入れる米の量も
多くなるため、
放冷機から、
エアーシューターを使って
蒸米をタンクに運びます。
これは、攪拌しているところ。
添・仲・留と
4日間にわたって
蒸し米、麹米、水を
だんだん増やして
全量にする。
酵母の旺盛な活力を
損なわせない先達の知恵。
これが「段仕込み」です。
どうですか。
全量入りました。
一升瓶2000本分。
この酒の母体となるタンクを
「もろみ」と呼びます。
これからは、
この「もろみ」が、
発酵が進むにつれ
日々どう変わっていくか、
状貌(じょうぼう)を
観察していきたいと思います。
乞うご期待。
1月19日。
「九州男児」本醸造用
夢一献70%精白の
「仲(なか)仕込み」の日。
また、タンクが大きくなりました。
最終の大きさです。
この日、
掛け米、麹米、水を
更に全量の2/6を加えます。
これで、
一昨日、「添仕込み」で1/6、
今日で、「仲仕込み」で2/6,
合わせて全量の半分が入りました。
この仕込みは、
全部で、米を1.35トン。
約3300リットル。
一升瓶で約2000本の
お酒ができあがります。
明日は、留仕込み。
1月18日、
九州男児用の酒、
原料米「夢一献」70%の仕込み、
「踊り」の日。
前回、
日本酒の特徴として、
「三段仕込み」をお話ししました。
酒母を造って、全量の
1/6を入れる添仕込み。
2/6を入れる仲仕込み。
3/6を入れる留仕込み。
添・仲・留(そえ・なか・とめ)と
蒸米、麹米、水を
だんだんと増やしていくわけです。
それは、実は3日連続で行われる
わけではないのです。
添仕込みと、仲仕込みの日の間に
一日、「踊り」という日があります。
何もしないお休みの日を設けることで、
酵母が踊り、活性化する。
先人の知恵です。
日本酒って、
深いですよね。
2番目、3番目の写真は
今朝の釜場の
お米を蒸してる風景です。
1月17日、
九州男児用の夢一献70%の
添仕込み(そえじこみ)の日。
酒母のタンクから
一回り大きいタンクになったのが
わかりますか。
前にも言ったように、
日本酒は、一度に全量造りません。
段仕込みという方法で造ります。
添仕込み、仲仕込み、留仕込みです。
今日はその添仕込みの日です。
旺盛な酵母を培養した酒母に、
蒸米と、麹米、水を、
更に加えます。
お米のデンプンを、麹が糖に変え、
その糖を、大好物の酵母が食べて、
アルコールと、二酸化炭素を
造り出す。
この化学がこのタンクの中で
行われています。
この化学が解明される以前から
日本酒は、先達の知恵で
伝統的に造ってきたわけですから、
日本人ってすごいですよね。
はやくも、タンクの中では
ブクブクと大きな音が出始めました。
発酵の開始です。
この添仕込みで、全量の1/6が
入れられたことになります。
1月15日、
急に東京出張となりました。
1泊2日の強行軍。
夜は、恵比寿の
「たまや」にご挨拶。
オーナー兼大将の
鬼丸辰彦さんは、
菊美人の地元、瀬高の出身。
東京、恵比寿で
九州、福岡、博多の「旨かもん」が
食べれます。
すいません。
また今回も食事の写真
撮り忘れました。
しまったと思ったときは
すでに胃袋の中。
いわしの甘露煮、
馬刺し、焼き鳥を
美味しく頂きました。
酒は菊美人特別純米をぬる燗で。
大将とのツーショット。
九州出身の方も、
九州のおいしい料理が食べたい方も、
是非行ってみてください。
東京都渋谷区恵比寿西1-8-13
TEL 03-3477-7377
1月13日、
福岡市中央区の
「いちかばちか」さんに
新年のご挨拶。
清川の
老舗料亭「三光園」の
前に2年前にオープン。
店のご主人の杉田さんは、
以前このブログでも紹介した、
久留米の「ひがし田支店」で
修行。
現在も「ひがし田支店」から、
お肉も仕入れているとのこと。
味は間違いなし!!
今回もがっつり、
骨付きカルビ
頂きました。
実は、私は大の肉好き。
今年も1月5日に、
久留米の「ひがし田支店」に
ご挨拶済ませてます。
味がしっかりしている食事には
味がしっかりしている酒があいます。
ということで、
菊美人の上撰がうまし。
肉好きの人は、
博多においでの際は、
是非「いちかばちか」にどうぞ。
「いちかばちか」
福岡市中央区清川1-2-5
TEL 092-534-1841
1月13日、朝7:00。
昨晩からの冷え込みが厳しく、
九州筑後も
雪が積もりました。
福岡は、太宰府以北は、
結構積もるのですが、
うちの蔵のある、
筑後地方は
めったに積もりません。
年に1回か、2回です。
今年は、積もる時期も
例年より早いような。
今年は寒いんでしょうかね。
今日から、
大吟醸用の麹造りが
始まりました。
おまたせしました。
蔵開きの内容が決まりました。
今年は、2月21日、日曜日。
今年で7回目。
おかげさまで回を重ねるごとに
お客様の数も増え、
昨年は2000人を超える
皆様にご来場頂きました。
2月のこの時期は、
一年間の中で一番、天候も不順で
雨が降ったり、
雪が降ったりするのですが、
酒造りの様子が
一番よく皆様にお見せできるので、
敢えてこの時期に蔵開きをしてます。
社員一同、しぼりたての新酒とともに
皆様をお待ち申し上げます。
1月12日午前8時。
九州男児本醸造用
「夢一献70%」精白の
酒母が、5日目を迎えています。
ワキツキが、非常に旺盛です。
酵母の力強い増殖がみてとれます。
同時に、アルコール発酵も
始まってます。
ボーメは、13.5。
アルコールも、5、6度は
でているようです。
耳を澄ますと
ぷくぷく音が聞こえます。
あと、2日で
酒母の完成です。
ちなみに
今日は、
普通酒の
速醸酛の仕込み。
朝、蒸し上がった
熱い
蒸し米を
拡げて
放冷しているところです。
1月10日、
地元、みやま市上庄地区の
「ほんげんぎょう」です。
弊社は、筑後平野に位置し、
200メートルも歩くと
矢部川(一級河川)に出ます。
うちの仕込み水も、
この矢部川の伏流水です。
この写真は、
矢部川の土手から
弊社を裏側から
撮したものです。
こうやってみると、
うちの裏からだと
50メートルほどで
川にでます。
車のない昔は、
酒樽を矢部川まで運んで
それから有明海に出て、
島原、長崎に出荷していました。
毎年、お正月には
竹を集めて、このような
「ほんげんぎょう」が
行われます。
その火で体を温めることで
一年の無病息災や五穀豊穣を
お祝いする行事です。
「ほんげんぎょう」とは
北部九州独特の正月の風物詩
のようです。
「鬼火焼き」とか「どんと焼き」
とかも言うそうです。
この時期になると
福岡県、佐賀県などの各地で
行われています。
うちの地元の
「ほんげんぎょう」は
結構大きいものです。
お昼に点火。
無事、無病息災を
祈ることが出来ました。
豚汁やおもち、お酒のふるまいなど
美味しく頂きました。
お世話方の皆さんに
本当に感謝です。
お疲れ様でした。
1月9日、午前11時。
昨日の酒母を仕込んで、
30時間ほど経過。
このように、
酒母は、
小さなタンクで
酵母を培養します。
高温糖化酛の
名前の通り、
仕込み温度を最初
50度位で6時間ほど経過させ、
糖化を進めます。
30時間経過し、
立派にフクレがきました。
酵母が増殖して、
発酵が開始された状態です。
フクレがきて、
ワキツキが起きている状態です。
ここまでくれば、一安心。
泡は、発酵が開始された証拠。
米が糖化によって糖に変わり、
その糖を、酵母が食べて、
アルコールと二酸化炭素が
発生します。
これが発酵。
泡は、二酸化炭素で発酵のしるしです。
2011年の
九州新幹線開通をめざして
博多駅の大改装が
すすんでます。
この度、
駅構内商業施設の
博多デイトスが
新装OPENしました。
その中にあるのが、
「博多ほろよい通り」。
五軒ほどあるのですが、
大盛況。
その中で、
JR九州が経営する
「駅亭」は、
福岡県の日本酒が
そろってます。
JR九州さんと、
福岡の酒造組合の
コラボで生まれた
飲み屋さんです。
店内の様子です。
立派な立ち飲み屋です。
夕方四時頃の風景ですが、
僕らが帰る五時頃には
満杯でした。
なんと、
毎月、月替わりで
福岡県のお酒が
飲めるお店です。
今月は、みやま市の「玉水」。
大刀洗町の「三井の寿」。
それぞれ、一杯ずつ、
四人で合計八杯。
おつまみも結構頼んで
全部で3千円。
安っっ!!
博多駅お立ち寄りの際は、
是非、「駅亭」に
お立ち寄り下さいね。
1月8日、
福岡市、都ホテル。
新春、恒例の
酒類業団体の
新年賀詞交歓会が
開催されました。
酒類業に携わる
メーカー、卸、小売の
業界の新年会です。
福岡県酒造組合
副会長の立場で
出席しました。
酒類業の
監督官庁である
福岡国税局の
藤田利彦局長から
ご挨拶がありました。
酒類業は
酒税もあるため
監督官庁は
国税庁になるのです。
200名ほどの
酒類業界の皆さんが
集まりました。
厳しい市場の中、
皆さんに喜びをもって、
酒類を飲んで頂けるよう
誓い合いました。
1月8日朝8時。
酒母(しゅぼ)を仕込みます。
酒母は、まさに「酒の母」。
酛(もと)とも言います。
日本酒は、
一気に全量造りません。
発酵の土台を造るのが
この「酒母」です。
これは、「夢一献」70%精白の
蒸し米。
蒸し上がって熱いので、
拡げて、放冷しているところです。
酒母には、
昨日出来た麹と、
この蒸し米、水、
そして酵母を加えます。
タンクを二重にして、
外側に70度のお湯をいれ、
酒母の温度を50度に
仕上げました。
これは、高温糖化酛。
約7日でできあがります。
大きなタンクで仕込む前の、
酵母を大量に培養するわけです。
まさに酒のもと(酛)ですし、
酒の母(酒母)ですね。
1月7日10時、
出麹(でこうじ)。
今年初めての、
麹ができました。
お米は、
70%の「夢一献」です。
よく、破精(はぜ)も
ついています。
このお米に、
麹菌がついて、
上のようになりました。
今日1日、さらして
明日、酒母(しゅぼ)に
入ります。
うちの
麹室(こうじむろ)は、
年代物です。
外壁は総煉瓦造り。
箱麹法です。
48時間で、
麹ができあがります。
九州男児の
本醸造になる麹です。
しばらく、
この麹がどうなるか
レポートします。
蔵人の泊まり込みが
いよいよ始まりました。
これは、玄米。
本醸造、純米用の
福岡県産の
「夢一献」です。
酒造好適米なみの
大きさもあります。
大粒米です。
これは、
上の「夢一献」の
精白70%のもの。
精白70%というのは、
30%削ったということです。
きれいに仕上がってます。
九州男児の「本醸造」用の
お米です。
これが、今年の福岡県糸島産の
「山田錦」の玄米です。
さすがに
心白が出現してますね。
山田錦は、
酒造好適米の代表選手。
メジャーリーグと
いったところでしょうか。
値段も一流です。
福岡県は「山田錦」生産、
全国2位なのですよ。
その「山田錦」の35%精白。
65%を削ってるということです。
菊美人の「大吟醸」、
「大吟醸しずくどり斗瓶囲い」用の
お米です。
こうしてみると
本当に日本酒って、
ぜいたくな飲み物ですね。
1月5日、
新年会。
久留米市の
クラブ「ザ・メンバー」を
訪れました。
毎年、
新年には、
菊美人の樽酒を
ご注文頂きます。
樽酒は
新年のお客様に
振る舞われるのですが
あっというまに
なくなるそうです。
事実、
日本酒が苦手という友人も
三杯おかわりしてました。
樽酒は、
杉の芳わしいかおりと、
枡の縁の塩が、
酒の甘さを引き立てるのでしょう。
自分の蔵の酒だから
言うのではないですが、
本当に美酒。
2010年1月1日、
お正月は、
毎年、
お屠蘇を頂きます。
当家のお屠蘇は、
日本酒に屠蘇散を
入れたものです。
お酒は、
菊美人上撰です。
「屠蘇(とそ)」って名前がすごいと
思いませんか。
屠(ほふ)った者さえ、蘇(よみがえ)る。
死んだ者さえ、蘇るんですから
どんな薬やねんと、
ツッコミたくなります。
魏の曹操の頭痛を鍼で治した人です。
レッドクリフにも出てました。
ところで、皆さん
専門的に言うと「灰持(あくもち)酒」。
熊本県では、お屠蘇は赤酒です。
うちの酒類卸の別会社では、
コンスタントに飲料用、料理用に
根強い人気があります。
みりんより旨みが出るそうです。
今回、初めて飲んでみました。
甘ーーーい。でも、おいしい。
やみつきになるかも。
2010年1月1日、
北原東代(はるよ)さんから、
年賀状を頂きました。
トラは、
ちょっと怖いイメージでしたが、
この白秋の歌は、
大変、かわいい感じがしますね。
北原東代さんは、
北原白秋の長男、
隆太郎さんの奥様です。
白秋に関する本を
何冊も出してらっしゃいます。
白秋の姉の嫁ぎ先の
うちとも親交を
深くさせて頂いています。
白秋全集によると、
この歌は、
童謡集「七つの胡桃」
昭和17年に刊行。
初出は、大正14年、
白秋40才の時の作品です。
隆太郎さんが3才ですから、
この頃の白秋の童謡は
隆太郎さんのために
書いたのかもしれませんね。
やさしさがあふれてます。
2010年1月1日
新年、
明けましておめでとうございます。
昨日の雪とは
うってかわり
穏やかな元旦となりました。
会社も、昨日までの
喧噪がうそのようです。
今日から4連休。
昨年は、
法人、個人のギフトは、
なんとか
前年並みを確保。
しかしながら、
居酒屋、料理店などの
業務用が
前年割れ、
きびしい結果と
なりました。
今年は、寅年。
年男です。
家庭安泰と
社業繁盛で
なおいっそう
頑張る所存です。
どうぞ、
よろしくお願いします。