4月16日、土曜日。
いつも大変お世話に
なっている
西中洲の小料理「桜」の
おかみさんから
お便りが届きました。
折にふれて、
季節のことをしたためて、
このようにお手紙を頂きます。
無常といふこと
桜の風が北へ向かい
日本列島を駈けぬけていきます。
城のさくらも、里のさくらも、
街のさくらもそれぞれに、
出会う花ごとに、
心をうるおしてくれましたが、
無常ならばこその美しさを尽くし、
やがて花は吹雪と
なりゆくものと思われ、
心に残る思いはつきません。
美しいゆく春のかたちです。
お葉書を読んで、
近くの八坂神社まで
散る桜を
見にいきました。
ソメイヨシノは、
すっかり葉桜と
なっていました。
春の風にふかれて
さくらの花びらが
土埃とともに
舞い上がっています。
花の色は
うつりにけりな
いたづらに
我が身世にふる
ながめせしまに
百人一首、
小野小町の歌を
思い出しました。
この世の中が
つくづく無常だと
いうことを
思い知らされた
今年の春。
無常だからこそ、
今を大切に
生きていきたい。
おはようございます。
この「桜」の女将さんは、たいした器量ですね。
無常に気づくとき、常と錯覚しそうなくらい 当たり前の
ものにも 尊さを感じ、深い感謝を捧げられるのでしょうね。
僕もその小料理店に行ってみたくなりました。
ググってみたら、椎葉くんの紹介なんでしょう?
落語以外にどういうところがお気に入りでしょうか?
岡村君
コメントありがとうございます。
そうでしょう、そうでしょう。
とても魅力あるおかみさんですよ。
椎葉君、野田君と一緒に行きましょう。
江崎俊介
実に魅力的なお誘いです。
江崎くんももちろん含めて、忙しい面々ばかりですが、
是非 実現させたいものです。
野田君も気持ちよく会話ができる人の1人だよね。
彼はA→Bと僕と全く同じ道筋を辿ったため、(椎葉くんは純正B)
高校時代のクラス割り上は、接点がなさげですが、寮で親交を深めた
という種明かしでしょうか?
小料理桜の女将さんへの返歌を考えてみました。
江崎くんと言えば、白秋からの援用がいいと思って これはどうでしょう。
飛びちらふ木の葉あかるきこのゆふべ常無かりてふものとしも見ね
(橡より これが原作で、秋の歌ですが、屋号にもリスペクトを
示しつつ、超マイナーなトリビアル・チェンジしました)
飛びちらふ桜あかるきこのゆふべ 常無かりてふものとしも見ね
(歌想が台無しと 白秋に叱られそうですが、遊び心としては
如何でしょう?)
岡村君
コメントありがとうございます。
飛びちらふ桜あかるきこのゆふべ 常無かりてふものとしも見ね
すばらしい返歌ですね。
無常の出る白秋の歌がすぐ浮かぶとは、
いつもながら、岡村君の博才には驚嘆します。
調べてみました。
昭和18年刊の橡(つるばみ)に載っている
「飛びちらふ」の歌は、昭和12年の2月に初出です。
11年の秋の歌と考えると白秋51才の歌。
その秋は、世田谷の自宅、岐阜の恵那峡、高尾山にて
歌会を開催してますから場所は選定できませんでした。
「しも」という強調の助詞がついているので
「見ね」と已然形になってるのでしょうか。
初出では、下の句は、
「よのつねのあはれ思ふすべなし」となっています。
いずれにせよ、早晩、桜のおかみさんと岡村くんを
対面させねばと意を強くしました。
江崎俊介
ちょっと持ち上げられすぎで、面映ゆいですが、ありがとう。
古文のルールはもう江崎くんみたいにしっかりしていません。
”しも”に対する結びが 已然形になるのは、久々に聴いたので、
新鮮味がありました。
また、挙げる歌に対して いつも初出に溯って そこからの
改作にまで踏み込んだ學識を披露してくださるのは、
大変勉強になります。仕事に差し支えない範囲で これからも
ご指導よろしく!
桜のおかみさんとの対面は、とても楽しみにしています。
岡村君
コメントありがとうございます。
高校のとき、
古文で「しも」は、訳さないと教えられました。
強調で使うといえばわかるのに
訳さないっていう教え方って
ちょっとおかしいと思ったので憶えています。
「折しも」とか「はてしない」「はてしもない」とか
使いますよね。
対面の日程の調整しましょうね。
江崎俊介