先日の3月1日、
久留米の鳥喜(とりよし)で、
食事。
「さより」のお刺身を
頂きました。
今年の春の初物です。
その「さより」ネタを
ひとつ思い出しました。
「さより」は、
春のさかなで、
3月から5月が旬。
「さより」は、
竹魚、細魚、針魚などと書かれ、
字の如く、
ほっそりとスマートな銀白色の魚。
気品の高い優雅な魚です。
北原白秋の歌にも登場しています。
皆さん、ご存じですか。
北原白秋作詞、
團伊玖磨作曲の童謡。
私と同じ世代以上の方は
聞いたことがあるはずです。
サヨリは薄い サヨリは細い
銀の魚サヨリ きらりと光れ。
月夜の川に だれだれ出てる
さざ波小波 ちらりとひかれ。
サヨリの家は ま水か塩か
冷たいサヨリ 水の玉はけよ。
サヨリは薄い サヨリは細い
銀の魚サヨリ お姉様に似てる。
最後のフレーズの
「銀の魚サヨリ お姉さまに似てる」と
あるように、この歌は、
白秋の姉「加代」への思慕の歌。
「加代」は私の曾祖母にあたります。
「さより」の歌は、小さい頃から
「お加代おばあさまの歌」と
教えられていました。
曾祖母「加代」は長命で、
私が中学2年のときまで元気でした。
小さい頃は「お加代おばあさま」の
ひざの上でよく遊んでいました。
実際に、「お加代おばあさま」は、
とてもふくよかで、
指も「サヨリ」のように
透明で細くて、きれいでした。
柳川の大火の後、
北原一族は東京に上京し、
造り酒屋に嫁に行った、
「お加代」姉さんだけが、
柳川に残りました。
東京で暮らす白秋にとって、
姉「加代」は、
思慕であり憧憬であり故郷で
あったに違いありません。
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