2011年お正月。
菊美人の蔵も
お正月の装いです。
菊美人の門前の
注連飾り(しめかざり)。
松竹梅と
センリョウの飾り。
玄関先。
お正月の花、
ロウバイ(蠟梅)と
松を活けています。
店頭には、
頂き物の今年の干支、
うさぎの置き物。
廊下には、
「南天竹梅(なんてんちくばい)」。
南天は「難を転じる」意味で縁起物。
花器が竹。
梅は瑞梅枝(ずばえ)。
玄関には、
北原白秋直筆の色紙と、
万年青(おもと)の活け花。
万年青(おもと)は、
池坊の古典で、
お祝いのときによく使う花。
葉が偶数に実が一つと
奇数にします。
これは、葉が十枚で実が一つ。
母が活けました。
色紙は、白秋の春の歌。
当家で書いてくれた色紙。
「春あさみ
せとの水田(みずた)の
早緑の(さみどりの)
ねぜりは馬に
たべられにけり」
(「雀の卵」初出、
早春雑歌、春の耕田)
実物は、今年の蔵開きで
公開します。
そうそう、今年の蔵開きは
2月20日(日曜日)に
決定しました。
みなさま、おまちしています。
明けましておめでとうございます。
年末には純米酒菊美人ありがとうございました。
美味しく頂きました。今年もブログ楽しみにしています。
image様
コメントありがとうございます。
とんでもございません。
こちらこそよろしくお願いします。
年末の燻製、おねだりしたようで、
ありがとうございました。
酒との相性が抜群すぎて、
あっという間に、
父と一緒に食べてしまいました。
今年もよろしくお願いします。
江崎俊介
待ってました!!貴重な資料の画像ありがとうございました。
白秋氏らしい 纖細で 流麗で たおやかな書体(菊美人の題字もそう)が素敵です。将棋の駒の書体でいえば、水無瀬のような雰圍氣です。
言葉にこだわり拔き 同じ歌を何度も改作することもあった白秋氏ですが、
この根芹の歌の第3句は 初版「雀の卵」では たしか”みどり葉の”
だったはず。
『花樫』以降は ”さみどりの”に改編されたはずです。
原著が手元にないので、気が向かれたら、ご確認を!
勘違いだったら ごめんなさいね。
岡村くん
コメントありがとうございます。
何千もの短歌を詠んだ中から、
色紙に白秋が書くということは、
とてもお気に入りの短歌だったはずです。
改編していても道理に叶いますね。
了解しました。ちょっと調べてみますね。
江崎俊介
ご指摘の通りだと思います。
新春から忙しいはずなのに、白秋談義にまめに付き合ってくれて、ありがとうございます。
また当時の世相を想像するに、人気作家の歌集や詩集が、現在の相場からすると 人気ソフトの新作の100倍?以上の高価格で飛ぶように売れたってことは、現在 人気アーチストの歌が口ずさまれるより はるかに深い情熱を持って、大衆からの支持を受けていたはずですよね。
雀の卵はたしか関東時代に作られた歌ばかりのはずですが、たとえば以下の数首などのように、在住經驗のある大川市の風物(当然、クリークなど柳河とも共通点は多い)の趣とも重ねられる作品も多くて、”雀の卵”は好きな歌集の1つです。
燕とまるただち揺《ゆ》らめく楊《やなぎ》の枝時の間《ま》水につきつつ反《かへ》る
枇杷の葉の葉縁《はべり》にむすぶ雨の玉の一つ一つ揺れて一つ一つ光る
一《ひと》つ火《び》のさ緑《みどり》の蛍息づき明《あか》り雨しとどふりし闇を今あがる
岡村くん
コメントありがとうございます。
「春あさみ」の短歌調べてみました。
ご指摘のとおり、「雀の卵」初版(大正10年、36才)では、第3句は「みどり葉の」です。
昭和3年、43才のとき、発刊した自選歌集「花樫」では、第3句は、「さみどりの」です。
昭和12年、52才のとき、文庫版「雀の卵」が発刊。
そのときの「覚書」に面白い記述がありました。
「第3句「さみどりの」はそもそもの原作に還したのである。大正六年の「曼荼羅」創刊号所載。」
ということは、「さみどりの」→「みどり葉の」→「さみどりの」と変遷したことになりますね。
白秋が短歌に対して、推敲に推敲を重ねていたことがわかります。
この歌は、当家でも書いてくれていますが、50才の時、昭和六歌仙展のために
自作を13首、揮毫していますがそのときのひとつです。
ちなみに、昭和六歌仙とは、尾上柴舟、佐々木信綱、窪田空穂、斎藤茂吉、与謝野晶子、北原白秋。
また、荻原井泉水との書簡のやりとりのなかでも、
「春あさみ」の短歌を「これは事実見たので、のっぴきならぬ表現で、しかも芭蕉よりずっと近代的の味が出て趣も違ふ、自信も自恃も立派にあったからこそ発表した」とまで、書いています。
よほど、この歌、気に入っていたのだと思います。
この短歌ひとつで色んな事がわかりました。
面白いですね。
一体白秋いくつ短歌を作ったのか気になりましたので、
調べてみました。数千なんてとんでもない。約、一万九千首詠んでいます。すごい。
江崎俊介