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菊美人酒造は1735年、江戸期創業。
現在は九代目、屋号は薩摩屋。
六代蔵元、江﨑喜三郎の妻、加代は柳川の詩人「北原白秋」の実姉にあたる。(北原酒造場北原長太郎の長女)
昭和16年、白秋は妻子、門下の歌人等とともに西下、故郷の柳川及び瀬高町の清水山頂にて盛大な歌会を催し、「菊美人」の菰かぶりを飲み干した。
なお、白秋は「菊美人」を墨書し、三幅の扁額を遺した。
爾来「菊美人」は白秋の命名と世人は伝える。
「私が十六の時柳河沖ノ端に大火があった。さうしてなつかしい多くの酒蔵も、あらゆる桶に新しい黄金の日本酒を満たしたまま真蒼に炎上した」 (北原白秋・思ひ出より)昭和三年夏、白秋は、二十年ぶりの郷土訪問飛行の折り、菊美人酒造に嫁いだ姉、加代との再会を慶び「姉上」の長詩を詠んでいます。