米はタンクの中で約一ヶ月をかけて、酒のもと(もろみ)になります。もろみから酒粕を除き酒に仕上げる「しぼり」は、味わいを左右する大切な工程です。
私たちは一般的な機械しぼりに頼りません。人の手をかけることを惜しまず丁寧に雑味を取り除きます。それにより、澄んだ味わいの中に旨みを感じる菊美人の酒が生まれます。
二種類のしぼりを使い分けています。澄み切った味わいの雫しぼりと、味の奥行きを感じる槽しぼり。美味しさへの自信、味わいの象徴として、雫・槽の落款を配しています。
お酒のもと(もろみ)を詰めた酒袋を吊るし、一滴一滴と滴り落ちる雫が集まるのをじっくりと待ちます。少量しか生産できず手間暇もかかりますが、通常の製法とは比較にならないほど澄み切った味わいが得られます。
雫しぼりの繊細な味わいは、酒通の方々にはもちろん、普段は日本酒を召し上がらない方にも驚きとともにお喜びいただいています。
お酒のもと(もろみ)を詰めた酒袋を、槽(ふね)の中に一つ一つ丁寧に手積みします。
一般的な搾り機のように強い圧力をかけてお酒をしぼりきることはできません。はじめに流れ出る、雑味が少なく理想の味わいを満たしたものだけを採用しています。
私たちの「槽しぼり」は、美味しさの品質を満たしている証です。