菊美人酒造

爪くれないの花  秋の純米ひやおろし発売です

IMG_2357.JPG

2021年9月9日 菊美人の酒蔵にて。
なやましき晩夏(おそなつ)の日に
夕日浴び立てる少女(をとめ)の
余念なき手にも揉まれて
やはらかににじみいでたる
色あかき爪(つま)くれないの花
 「断章」白秋(明治41年)
白秋23才の時の歌。
この歌は世にはあまり知られていませんが、
私の好きな歌のひとつ。
爪(つま)くれないはホウセンカのこと。
小さい頃、女の子がホウセンカで
爪を赤くして遊んでいたのを思い出します。
ここでは、晩夏を「おそなつ」と詠んでいます。
白秋はこれと同じように
新春を「にいはる」と詠んだり
自在に言葉をあやつる天才でした。
さて、この晩夏(おそなつ)に、
恒例の「秋の純米ひやおろし」販売いたします。
春に搾った新酒が蔵の中で夏を越し、
ほどよく熟成し、
まろやかな味わいとなりました。
このお酒を外気が冷えて
蔵の温度と同じくらいになる秋に
大桶から小桶に卸し瓶に詰めたものを
「ひやおろし」といいます。
秋のこの時季にしか
飲むことのできない特別純米酒です。
是非ともご賞味ください。