2011年、
大晦日の夜。
NHK紅白歌合戦。
淡き光立つ にわか雨 いとし面影の沈丁花
溢るる涙のつぼみから ひとつひとつ香り始める
それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る
春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしい声がする
春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき
夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く
松任谷由実の「春よ来い」。
番組の終わり近く、
出演者全員での合唱。
涙が溢れました。
松任谷由実が
歌っている姿は、
まるで「祈っている」かの
ようにみえた。
2012年、元旦。
毎日新聞、2面。
新潮社の広告。
ドナルド・キーンの言葉。
「頸さ(つよさ)」という言葉で、
日本人の強さを表現しています。
「頸」は「しなやかでつよい」
ということ。
90才の
ドナルド・キーンは、
震災を機に日本人になる
(帰化する)ことを決意。
二人に共通してあるのは、
「祈り」だ。
災禍に見舞われた日本への「祈り」。
日本人が再び立ち上がることへの「祈り」。
「頸(つよ)い日本人」として、
「まだ見ぬ春」へ向かって
歩みを運んでいきたい。