9月9日、重陽の節句。
菊の節句です。
昔から菊の花びらを浮かべた
日本酒を酌み交わして
お祝いをしています。
菊美人ですから、
「菊の花」のネタをひとつ。
先日から、小料理「桜」の
おかみさんより手紙がきました。
いつも四季折々を
造詣の深い言葉で表現。
おかみさんの
心の暖かさにあふれています。
今回の手紙には、
手紙に貼った切手が
とても「菊美人」さんに
合う言葉ですね、とのことが
書き添えられていました。
夏目漱石が、正岡子規を
送り出すときに読んだ句の
直筆の記念切手です。
さっそく、
取り寄せてみました。
この記念切手、
昨年の9月に発行されたもの。
「近代俳句のふるさと松山」と
いうもの。
おそらく、
NHKのドラマ「坂の上の雲」も
からんでの発行。
正岡子規、高浜虚子、
夏目漱石、河東碧梧桐の
代表句と直筆を切手に
したもの。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」。
日露戦争で活躍した秋山兄弟、
正岡子規、夏目漱石など
日本の将来を支える偉人が、
同じ時代に、また、松山という
一地方都市にいるというのは
偶然なのか、必然なのか、
まことに不思議で興味深いことです。
NHKのドラマ「坂の上の雲」では、
秋山好古を阿部寛、秋山真之をモックン、
正岡子規を香川照之、夏目漱石を小沢征悦が熱演。
12月から第2部が始まるそうです。
楽しみですね。
さて、だいぶ横道に逸れました。
この切手。夏目漱石の直筆の句。
「送子規(しきをおくる)
御立(おた)ちやるか
御立(おた)ちやれ新酒
菊の花」
「菊美人」にぴったりの歌ですね。
友人子規君を送別する歌。
子規よ、出発するのか出発しなさい。
新酒を酌み交わし、菊の花とともに。
といったところでしょうか。
ところで、俳句には、
季語があります。「菊」は秋。
「新酒」は冬か春?
この俳句、掟破り?
調べてみました。
「新酒」はなんと「秋」の季語です。
昔は寒造りが主流ではなく、
米ができたと同時に
酒造りもはじまったようで、
新酒は秋の季語。
勉強になりました。
さらに余談。
夏目漱石は、
日本酒好きだったようです。
いくつものお酒にまつわる
俳句を遺しています。
「あるときは
新酒に酔うて 悔(くい)多き」
これは、傑作だと思います。
世界に誇る文豪、夏目漱石も
飲み過ぎて翌日反省するのですね。