菊美人酒造

初呑切(はつのみきり)   菊美人の酒造り

P1040957.JPG

8月2日、月曜日、午後3時。
菊美人酒造、検査室にて。
うだるような暑さが続きます。
昨日は久しぶりに何もない休日。
しっかり休養して、今日も元気。
今日は、菊美人酒造の
今年の「初呑切」の日。
「はつのみきり」と読みます。
「初呑み切り」は、
造り酒屋にとって、
夏の大切な行事です。
今年の冬できたお酒を、酒蔵は、
タンクや斗瓶、一升瓶などで
熟成のために貯蔵します。
P1040959.JPG
タンクに貯蔵されたお酒が、
ちゃんとしっかり
熟成をしているかどうかを
確認する夏の作業を
「初呑み切り」と言います。

P1040960.jpg

タンクの下についている蛇口(?)を、
「ノミ(呑み)」と言います。
その「呑み」を今年「初めて」
「切って」タンクのお酒の味を
確認するから、「初呑み切り」です。
お酒に火落菌などの汚染がないか、
酒質に異常はないか、
目標通りに熟成はすすんでいるかを
点検する儀式です。
このタイミングは、早くても見落としますし、
遅くても手遅れになってしまいます。
P1040964.JPG
長年、
菊美人はこの8月の初旬、
暑い盛りに行います。
タンク1本ずつ、
「蛇の目(じゃのめ)」に注いで、
目で見て、
鼻で匂いを嗅いで、
口で味を確認する。
入念に判断します。
P1040965.JPG
今年は、
福岡県醸造試験所の鈴木正柯先生、
江﨑和夫弊社社長、
待鳥敬記弊社杜氏、
樺島静男弊社工場長、
そして私。
5人の目と鼻と口で、
「初呑み切り」。

P1040966.JPG

今年もタンクのお酒はすべて合格。
安心しました。
もちろん異常はありませんでしたし、
いい味に仕上がっています。
秋からの「菊美人」にも、
どうぞご期待下さい。