年頭に思うこと  平成26年 第55回酒類業界新年賀詞交歓会

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2014年
1月9日、水曜日。
福岡市博多駅前、都ホテル。
 
第55回 酒類業界新年賀詞交歓会。
福岡県、佐賀県、長崎県の
酒造メーカー(ビールなども含む全酒類)、
酒類流通、酒類小売が、
監督官庁の福岡国税局とともに、
新年の賀詞を交歓する会です。
 
 
 
 
 
 
 
 

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今年は、酒造の代表が年頭の挨拶の当番。
北部九州の酒造メーカーの代表として、
僭越ながら、私が、スピーチさせて頂きました。
 
抱える問題は山積していますが、
遙かな山のいただきにさす光も見えています。
以下、私のスピーチ全文掲載します。
 
(写真は中村福岡国税局長。
残念ながら自分がスピーチしたので
私の写真は撮れなかった。)
 
 
 
 
 

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年頭の言葉   日本酒造組合中央会北九州支部長 江崎 俊介
 
 新年明けましておめでとうございます。
酒造組合の江崎でございます。年頭にあたりまして、一言、ご挨拶申し上げます。
 昨年を振り返りますと、とても良い年だったなぁとほっとしていらっしゃるかたも多いのではないでしょうか。
12月の大納会に向けて、株価がどんどん上昇していくことを「掉尾(ちょうび)の一振(ひとふり)、掉尾のいっしん」などと申しますが、昨年は、特にこの言葉が当てはまる「掉尾を飾った年」でありました。
2012年11月、民主党政権末期、およそ一年前のことですが、株価8,900円が16,000円に、円も79円だったものが、105円となりました。
 最近のマスコミは、安倍政権をまったくといっていいほど、褒めませんが、私、調べてみました。内閣総理大臣として、2回、お正月を迎える事ができたのは、2006年の小泉政権以来、なんと8年ぶりのことであります。いいことは、いいこと。褒めてあげないといけないと思うのですが、新聞社の主宰というのは、よほどひねていると思われます。久しぶりに、政治が経済の足を引っ張らず、味方をしてくれている実感があります。

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 昨年は、6年後を想像するだけで、ワクワクするオリンピックの東京開催が決定しましたし、富士山が世界文化遺産に、和食が世界無形文化遺産に登録されるなど、日本人として、とてもうれしいことがありました。
 特に、和食が世界的に認知されたことは、我々、酒類の業界に取りましても、「日本産酒類の輸出増加」に拍車がかかると期待をかけるところであります。
 また、昨年は各地で「乾杯条例」の制定が行われました。昨年1月京都市で施行されたのを皮切りに、各地の自治体で乾杯条例の制定が相次いでおり、これまでに日本酒20、本格焼酎6、地元の酒や陶器で14、合計40の条例が施行されているようです。ご披露しますと、当局内では、3月に佐賀県鹿島市で「鹿島市日本酒で乾杯を推進する条例」、6月に佐賀県で「佐賀県日本酒で乾杯を推進する条例」、9月に長崎県波佐見町で「乾杯に特産陶磁器の杯の使用を促す条例」、9月に長崎県壱岐市で「壱岐焼酎による乾杯を推進する条例」が施行されています。本日、ご参加の各位は、地元の組長、議員の先生方とも親しい間柄の皆様と思います。是非、北部九州各地でも「國酒で乾杯」の働きかけ、気運を高めて頂きたいと思う次第です。

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 さて、本年の私たちが抱える最初の問題は、昨年から動き始めた清酒、焼酎をはじめとする酒類の値上げであります。私の実感としては、消費者の皆様、料飲店の皆様に、はなから拒否されているような雰囲気ではない。市場の情勢からやむなしと受け入れられている気がしています。今までの価格、経緯はおいといて、例えば、上げ幅が70円であれば、しっかり、その70円をあげていく。卸、小売の皆様もきっちり利益を確保して頂くことを業界一丸となってやっていこうではありませんか。「安い酒をどんなに安くしても、もうこれ以上は売れない」ということを、我々は今までの苦い経験から学んだはずであります。そろそろ、一部の大手量販やドラッグストアにふりまわされず、酒でなりわいを立てている私たちに、酒のイニシャチブを取り戻そうではありませんか。
 また、4月に控える消費税増税も、国税当局と連動して、スムーズな転嫁と適切な表示を実行していくのも大きな課題であります。
 
 
 
 

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 そして、もう一点は、環太平洋パートナーシップ協定、TPPの交渉の行方であります。酒類の原料となる農産物、特に米・麦の酒類の業界への良質で安定的な供給が、ひっくり返ってしまっては、元も子もありませんが、日本が輸出立国を目指すのならば、「日本の米」をいかなる商品よりも、付加価値をつけて、海外へ輸出しているのは、日本酒であるという認識にたって、TPP交渉を見守っていきたいと考えています。
 いずれにせよ、順風にも逆風にも、大きく帆を張り、皆様とともにこの一年を乗りきって参りたいと存じます。
 最後に、皆様に「眼福」をと思い、最後のページに書画を載せさせて頂きました。新春の歌で、且つ、お酒の歌でもあり、とてもこの会にあっているなぁと思い、事務局にわがままを言って、掲載してもらいました。
 
 
 

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 今から72年前、昭和16年、柳川が生んだ詩人「北原白秋」の書であります。北原白秋の姉が私の曾祖母にあたることもあり、うちの蔵で書いてくれた、当家に伝わる掛け軸であります。
「しんしゅん」と書いて、「にいはる」と読みます。「新春と今朝たてまつる豊御酒のとよとよとありてまたたのたのと」。
お正月ということで、朝から神棚に奉っていたお酒は、そしてそれを飲む集いは、「とよとよとありて」豊かなものであって、「またたのたのと」楽しいものであり、頼もしいものでもあるよという意味でしょうか。
今年の皆様の社業のご発展を祈念してご挨拶に代えさせて頂きます。

(写真は、交歓会後、福岡県酒蔵組合正副会長で住吉神社へ参詣した様子)